次の連立方程式を解きなさい。
$ \begin{cases} 11x-13y=61 \\ 17x-19y=91 \end{cases} $
2003年 巣鴨高校(東京)
一見、シンプルな連立方程式に見えるが、$x$ の係数が11と17で、ともに共通な約数がない。 $y$ の係数も-13と-19で、共通な約数がない。(このように2つ以上の数において、共通な約数がないことを『互いに素』という。)
ということは、$x$ の係数を合わせるにしても、上の式を17倍、下の式を11倍しないといけないし、 $y$ の係数を合わせるにしても、上の式を19倍、下の式を13倍しないといけない。右辺も61と91というすっきりしない数となっている。
だから、一見、シンプルな連立方程式だが、普通に加減法や代入法をやっては多大な労力と時間を使ってしまう。 時間をかければ正解は出せるだろうが、問題出題者の意図は工夫ができない子を振り落すために出題しているのだ!
問題の式をよく見よう。$x$ の係数は11と17で差が6である。$y$ の係数も-13と-19で差が6である。この係数の差が同じという特徴をうまいこと利用する!
(下式)-(上式)をすると、$6x-6y=30$ となる。両辺を6で割ると、$ x-y=5 $ というとの簡単な関係式が得られた。 これをと変形し、上式または下式に代入して、の値を求めてやればよい。
上式に代入すると、
$ 11x-13(x-5)=61 $ → $ 11x-13x+65=61 $ → $ -2x=-4 $
∴ $ x=2 $ ・・・(答)
$ y=x-5 $ に、$ x=2 $ を代入して、$ y=-3 $ ・・・(答)
【鉄則】加減法または代入法によって、$x,y$ のどちらかを消すのが基本であるが、 いきなり文字を消さず、$x$ と $y$ の簡単な関係式を求めてから解く連立方程式の解法もある!!