次の連立方程式を解きなさい。
$ \begin{cases} \displaystyle \frac{1}{2x-3y} + \frac{2}{3x+2y} = 3 \\ \displaystyle \frac{3}{2x-3y} - \frac{2}{3x+2y} = 5 \end{cases} $
2001年 大阪星光学院高校
これは、分母に未知数がある連立方程式である。複雑そうに見えるが、解くための鉄則は変わらない!
【鉄則】方程式において、未知数が分母にあるときは分数ごと置換せよ!
$ \displaystyle \frac{1}{2x-3y} = A $、$ \displaystyle \frac{1}{3x+2y} = B $と置く。すると問題の連立方程式は、
$ A+2B=3 $ ・・・① $ 3A-2B=5 $ ・・・②
と書き換えることができる。
①式+②式より、$ 4A=8 $ → $ A=2 $ これを①式に代入して、$ B = \displaystyle \frac{1}{2} $
よって、$ A = \displaystyle \frac{1}{2x-3y} = 2 $ ・・・③ $ B = \displaystyle \frac{1}{3x+2y} = \frac{1}{2} $ ・・・④ が得られる。
③、④の連立方程式を解けばよいのだが、1本の括線で書き表した分数同士の等式は、 分母・分子はひっくり返してもよい。$ \displaystyle \frac{a}{b} = \frac{c}{d} $ → $ \displaystyle \frac{b}{a} = \frac{d}{c} $ とできる。
つまり逆数を取るということができる。③、④式の逆数を取ると、
$ 2x-3y = \displaystyle \frac{1}{2} $ ・・・⑤ $ 3x+2y=2 $ ・・・⑥
⑤式の両辺に2を掛け、⑥式の両辺に3を掛け、$y$ の係数を合わせてやる。
$ 4x-6y=1 $ ・・・⑤' $ 9x+6y=6 $ ・・・⑥'
⑤'+⑥'を計算し $y$ を消して、$ 13x=7 $ ∴ $ x = \displaystyle \frac{7}{13} $ ・・・(答)
これを⑥式に代入し、$ y = \displaystyle \frac{5}{26} $ ・・・(答)