【基本】文章題(中学2年)

食塩水Aが500gと食塩水Bが200gある。 いま、食塩水Aから300gを取り出し、食塩水Bに入れてよくかき混ぜると、6%の食塩水ができた。 さらに、その食塩水から300gを取り出し、残りの食塩水Aに入れてよくかき混ぜると、6.8%の食塩水ができた。 食塩水A,Bの濃度をそれぞれ求めなさい。

2007年 立教新座高校

解説

食塩水の量の変化を追うと、容器Aから容器Bに300g移り、そのあと容器Bから容器Aに300g戻ったので、結局最初の量と同じということ。

【鉄則】食塩水の問題は、食塩の重さに着目して式を立てよ!!

食塩水の問題の基本はこれである。

解答

食塩水の問題

食塩水Aの濃度を $x$、食塩水Bの濃度を $y$ とする。

この $x$,$y$ は、百分率(%)ではなく、小数(分数)として扱うものとする。

1回目の操作でわかること

食塩水の1回目の操作

「食塩水Aから300gを取り出し、食塩水Bに入れてよくかき混ぜると、6%の食塩水ができた」ということだから、食塩水Aは200gになり、食塩水Bは、200+300=500(g)になったということ。

食塩の重さを考えると、残った200gの食塩水Aに入っている食塩の重さは、$ 200x $(g) 取り出した300gの食塩水Aに含まれる食塩の重さは、$ 300x $(g)といえる。

500gになった食塩水Bの濃度が6%になったということだから、食塩水Bに含まれる食塩の量は、500×0.06=30(g)

以上のことより、移動した300gの食塩水Aの食塩の重さと、最初にあった食塩水Bの食塩の重さが合わさって30gになったということだから、$ 300x+200y=30 $ ・・・①  と、食塩の重さに着目して式を立てることができる。

2回目の操作でわかること

食塩水の2回目の操作

「さらに、その食塩水から300gを取り出し、残りの食塩水Aに入れてよくかき混ぜると、6.8%の食塩水ができた」ということは、 最終的に食塩水Aの入った容器は500gに戻ったということ。 この500gの濃度が6.8%になったということだから、最終的に食塩水Aに入っている食塩の重さは、500×0.068=34(g)

食塩水Bの容器から取り出した300g(濃度6%)に含まれる食塩の重さは、300×0.06=18(g)だから、 最初に食塩水Aの容器に残っていた200gの中に溶けていた食塩の重さが、34-18=16(g)だとわかる。

これより最初に用意された食塩水Aの濃度が分かってしまう。

16÷200=0.08 ・・・つまり最初に用意された水溶液Aの濃度は8% ・・・(答)

方程式を解くまでもなく、水溶液Aの濃度 $x$ がわかってしまった。

あとは、①式に代入して $y$ を求めればよい。

∴ $ y=0.03 $ ・・・水溶液Bの濃度は3% ・・・(答)