【応用】文章題(中学2年)

ある印刷所では、何台かの印刷機があり、これらをすべて使って印刷しています。 このうち3割の印刷機を新しいものに取りかえると、 すべての印刷機を使って同じ時間に印刷できる枚数が2.5倍になることがわかりました。 ところが、実際に取りかえたのは4台だけだったので、印刷できる枚数は1.5倍になりました。 この印刷所の印刷機は、全部で何台ですか?

2005年 西武文理高校

解説

「1台の印刷機が刷れる印刷枚数は具体的にどれくらいか」にとらわれていると、この問題は解けない。 旧式と新しい印刷機の性能が何倍か、比が分かればそれでよいのだ。

すべての印刷機の代数を $x$(台)とする。 次に、旧式の印刷機の仕事率(1台あたり単位時間に何枚刷れるか?)を $p$、新しい印刷機の仕事率を $q$ で表すことにする。

ここで大切なのは、$p,q$ が具体的に何かではなく、$p,q$ の関係がわかれば答えが見えてくるということ。 つまり新しい印刷機の仕事率が旧式の何倍かさえわかればよいのである。

仕事量(今回の場合、印刷枚数)に関して、式を作っていく。 まず、旧式をフル稼働させた場合の仕事量は $px$。 これが3割を入れ替えると、2.5倍の $2.5px$ になるといっている。

旧式の印刷機 新しい印刷機
導入前の台数 $x$ 0
導入後の台数 $0.7x$ $0.3x$
導入前の仕事量(印刷量) $px$ 0
導入後の仕事量(印刷量) $0.7px$ $0.3qx$

新しい印刷機を導入した後の旧式の印刷機と新しい印刷機の仕事量(印刷量)の合算は、 $ 0.7px+0.3qx $ であることが上の表でわかる。これが $2.5px$ に等しいので、$ 0.7px+0.3qx=2.5px $ と書ける。

両辺を $x$ で割ると、$ 0.7p+0.3q=2.5p $ → $ 0.3q=1.8p $ → $ 3q=18p $ ∴ $ q=6p $

具体的な $p,q$ の値は出ないが、新しい印刷機の仕事率 $q$ が、旧式の印刷機の仕事率 $p$ の6倍だとわかった!!

これを実際に4台導入した条件に当てはめてみよう。

旧式の印刷機 新しい印刷機
導入前の台数 $x$ 0
導入後の台数 $x-4$ $4$
導入前の仕事量(印刷量) $px$ 0
導入後の仕事量(印刷量) $p(x-4)$ $4q=4 \times 6p$

実際には全体の3割にあたる印刷機の交換とはいかず、4台のみの交換にとどまったそうな。 そのためトータルの印刷枚数が、導入前の $px$(枚)から1.5倍の $1.5px$(枚)になったというのがこの問題。

上の表より、導入後の仕事量(印刷枚数)に関して等式を立てると、
$ p(x-4)+4q = p(x-4)+4 \times 6p = 1.5px $

新しい印刷機の仕事率 $q$ は、$q=6p$ により $p$ を使って書きかえているのがわかるだろうか。

$ p(x-4)+4 \times 6p = 1.5px $ の両辺を $p$ で割って、$p$ を消去できる。 $ (x-4)+24=1.5x $ → $ 10x-40+240=15x $ → $ 5x=200 $ ∴ $ x=40 $(台) ・・・(答)

小学算数の解き方

線分図1

上図は、問題文の「3割の印刷機を新しいものに取りかえると、 すべての印刷機を使って同じ時間に印刷できる枚数が2.5倍になる」という条件を線分図で表したもの。

新しい印刷機を導入する前の印刷枚数(仕事量)をAC=1として表すと、導入後は、2.5倍の印刷枚数になるので、DHが2.5となります。

ここでBC=EFが導入前の全体の0.3(3割)を表しており、この部分を新しい印刷機にすると、 下の線分図のEHの長さまで印刷枚数が増えるということ。では、EHはBCの何倍になったでしょうか?

この線分図からわかるのである。つまり、新しい印刷機の仕事率(旧式に比べてどれくらい多く枚数を刷れるか)が分かってしまうのだ。

EF=0.3,FG=1,GH=0.5であるので、EH間は1.8となる。EFと比較して、EHは6倍。 つまり、旧式の印刷機に比べて、新しい印刷機は6倍の仕事をするということ。 例えば、旧式の印刷機が1枚刷る間に、新しい印刷機は6枚刷ることができるということがわかったのである。

ここまでは問題文によると、あくまでも導入前のプラン。 実際は、4台しか新しい印刷機を導入できなかったということで、導入後の印刷枚数は1.5倍になっただけ。

「実際に取りかえたのは4台だけだったので、印刷できる枚数は1.5倍になりました」を表したのが下の線分図である。

線分図2

導入前の印刷枚数(仕事量)をAC=1とすると、 導入後は、1.5倍になったということなので、DG=1.5 となる。

ここで、新しい印刷機を4台導入したBCの割合はわからないが、 すでに新しい機械の仕事率は、旧式の6倍とわかっている。ということは、導入後のEGは旧式の6倍分の印刷枚数を生んでいることがわかる。

EFが4台ということは、EGはEFの6倍、つまり旧式24台分(の仕事量=印刷量)ということ。 では、FGは何かというと、旧式20台分に相当する。 つまり割合でいう0.5(全体の半分)が旧式20台に相当するということ。

よって、AC=DF=1は、40台に相当するということで、答えが40台となる。